子どもが小学生になるまでは、いまの会社で時短勤務で働こう。
育休から復帰したとき、私は前向きでした。家庭も仕事も、どちらも大切にしたかったから。無理なく続けられる働き方を選んだつもりでした。
でも、日が経つにつれ、少しずつ見えてきたものがあります。
それは、“働きやすさ”の裏にある、現実の重みでした。
時短勤務で働くということ
私の職場では人手が足りず、時短勤務でも通常と同じ業務量をこなすのが当たり前になっていました。
1日6時間の勤務で、フルタイムの人と変わらない業務を回さなければならない。しかも、残業も“黙認”されていて、気づけば時間を削る意味さえ見失いそうになっていたのです。
「もう少し業務の調整を…」と改善を求めても、返ってきたのは、「また時短の人が文句言ってる」という冷たい言葉。
誇りを持って向き合っていた仕事が、ただ“処理するだけ”の作業に変わっていきました。
誰かの役に立ちたい、感謝されたいという気持ちは、次第に「時間に追われるだけ」の日々に押しつぶされそうになっていきました。
「時短勤務」とは?制度の仕組みと現実
時短勤務は、本来、育児や介護などと両立しながら働けるようにするための制度です。
日本では「育児・介護休業法」により、3歳未満の子どもを育てる労働者には、1日原則6時間の短時間勤務を申請する権利があります。 ※令和7年10月から改正あり
◎時短勤務の主なメリット
- 育児・介護との両立がしやすい
- 無理のない範囲で働き続けられる
- 離職せずキャリアを維持できる
⚠️ 一方で現実には…
- 給与は勤務時間に比例して減る
- フルタイムと同じ仕事量を求められることもある
- 周囲の理解が得られず孤立感を覚える場合も
制度として存在していても、実際の職場運用や人手不足、文化によっては、“働きやすさ”が実現されないケースもあります。
「甘え」じゃない。
時短勤務を選んだからといって、仕事を軽く見ているわけではありません。
時間が限られているからこそ、集中して、丁寧に、誠実に取り組んでいる人もたくさんいます。
けれど、制度だけがあっても、それを「活かす」ための職場の仕組みや理解がなければ、実際には機能しなくなってしてしまいます。
今後の希望
「働きやすさ」とは、ただ制度があることではなくて、
一人ひとりの事情や限界に寄り添いながら、“長く安心して働けること”なのではないかと思います。
10月から、時短勤務が3歳未満から3歳以上小学校就学前の子を養育する労働者へと変更になります。形式だけではない、無理のない柔軟な働き方ができるようにしていってほしいです。